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Tuesday, April 26, 2005

神戸英語教育学会第8回大会(研究会)
日時  2005年4月30日(土) 10:30-5:00  (10:00受付開始)
会場  神戸市勤労会館404講習室 (各線三ノ宮駅下車南東3分 078-232-1881)

**** プログラム ****

10:30 開会の挨拶  会長 伊原 巧(信州大学)
総会 進行 事務局 山内 啓子(神戸松蔭女子学院大学)
会計報告      会計監査  石川 有香(名古屋工業大学)


研究発表(午前の部) 司会  小橋 薫 (神戸大学)
11:00 「コンピューターを利用した英文読解に関する予備研究」
                             松村優子(近畿大学非常勤講師)
11:30 「大学教育におけるメタ学習の方法論」      真砂 薫(近畿大学)


12:00-1:00 昼食休憩

研究発表(午後の部1) 司会 堤 美佐子(神戸大学)  
1:00 「児童英語と発音」     岩井麻紀 (神戸松蔭女子学院大学)
1:30 「児童英語教育の一例-YMCAの実践例-」      宮崎 操(舞鶴高専)

2:00-2:15   休憩

研究発表(午後の部2) 司会  林 浩士 (鈴鹿高専) 
2:15 「学校図書館と英語教育」 伊庭日出樹(北海道八雲中学校)
2:45 「EILと英語発音教育」          伊庭 緑(甲南大学)
  

3:15-3:30 休憩                                               

KELTセミナー
3 :30「国際英語(EIL)の可能性を求めて」 伊原 巧(信州大学)


4:45 閉会の挨拶 副会長 江利川 春雄(和歌山大学)
5:00~懇親会 

**** KELTセミナー 要旨 ****
国際英語(EIL)の可能性を求めて
平成17年4月30日  伊原 巧(信州大学)

 日本の英語教育は百家争鳴と混沌の現状にある。それは日本の英語教育界が、外国語としての英語(EFL)教育と国際語としての英語(EIL)教育を混同しているからではないだろうか。本来のEFL教育に回帰するのか、EIL教育へ転進するのか、これらを明確に区別することがこの現状から抜け出しより効果的な教育を可能にする方途ではないだろうか。
 しかしいずれの方向に向かうにしろ、EFL環境にある日本を取りまく国内外の変容は、EIL教育すなわち「国際コミュニケーションのための英語教育」を必要とする状況を生み出しているし、またこの教育は人間陶冶にとっても必要であると考えられる。
そこで本セミナーでは、下記のキーワードに沿いながらEIL教育の実行可能性はあるのか、またそれはいかなるものなのか、について考察することにする。


キーワード
・ 母語と母国語
・ 外国語と第二言語
・ 第二言語の型:「移民・長期滞在者型」・「旧植民地型」・「原住民型」
・ 外国語教育の弁別的素性:目的言語型・手段言語型・交流言語型
・ 外国語教育(受信し合って学び合う)と国際語教育(受信・発信し合って学び合う)
・ EFL・EILと国際理解はどう関係するか
・ 国際語教育の特徴

目標:「国際コミュニケーションの場で「自分」を「表現」する」
求められる学力:「情報の価値を認識する力」と「価値ある情報を表出する力」
授業実施上の指針:自分の側に引き寄せた自分の都合のよい英語の学習と使用、「音韻的明瞭性」「文法的受容性」「社会的適切性」「意味的識別性」・・・文法、発音、表現、語用論的ルール、教材、教授法

・ unicultural bicodalistとbicultural bilingual
・ 日本型EIL教育
   言語モデル:日本人教師の英語
   表出目標:4つの縛りを満たす日本人英語

 インド英語やナイジェリア英語など第二言語の「旧植民地型」英語をSecond Class Englishとみなすのではなく、ましてや日本人英語を自己卑下するのでもなく、それらの先例を参考とすべきである。


**** 神戸英語教育学会第8回大会(研究会)発表要旨 ****              

「コンピューターを利用した英文読解に関する予備研究」
 松村優子(近畿大学) 
試験のように限られた時間内で長文を理解することは苦手と言う学習者は多いが、英文速読指導はあまり実践されていないようである。本発表では、個人に合った速度で読めることや読解速度を正確に測定できるというコンピューターの特質を生かし、コンピューターを利用した速読練習の例を紹介する。さらに、読解速度、速読を妨げる原因、読解速度と理解との関係など、速読の研究と実践の際に考慮すべき要因についても考察する。



「大学教育におけるメタ学習の方法論
Stephen R. Covey, THE SEVEN HABITS OF HIGHLY EFFECTIVE PEOPLEを軸に」
真砂 薫(近畿大学)
今日の大学を含めた学力低下問題にも関係する学習方法論、自己管理、時間管理能力について提案と試行について報告する。今日の日本では、学力低下問題とならんで、ゆとり教育の見直しが行なわれている。また総合科目の授業の困難についても教育現場から批判が少なくない。しかし、教科別教育を総合し、学習者の「生きる力」「問題解決力」というべき、メタ学習能力を学ぶ機会として大学教育の可能性は大きいのではないか。
 これは、アメリカの大学教育ではリカレントコースなどと呼ばれ、日本の大学教育では基礎ゼミなどの呼称で実践されている科目である。もちろん、外国語(英語)学習における、自宅学習問題とも関連させて考察し報告する。



「児童英語と発音」
岩井麻紀(神戸松蔭女子学院大学)
小学校の英語活動ではねらいの一つとして、音声を中心とした指導を行うことがあげられている。英語のインプットを多くし、児童が英語の音に慣れ、自ら話すことを目指している。年齢が低いほど音感が優れ、情意フィルターも低いため、音声の一要素である発音の習得は効果的であると考えられる。児童英語と発音という観点から考えてみる。



児童英語教育の一例-YMCAの実践例-
                                 宮崎 操(国立舞鶴工業高等学校)
2002年から「国際理解教育の一環として外国語教育」をできるようになった。現在およそ2/3の小学校で、形態はさまざまなようだが英語に関連した授業が行われていると聞く。事の是非・意義・母語の重要性等々の議論は横においての見切り発車と言えるだろう。しかし、現場ではとにもかくにも時代に対応して、小学校でカリキュラムやヤマニュアルをつくって英会話の授業をし、児童英会話を指導できる教員を養成し、教員養成のプログラムを作成しなければならない。この分野では私立小学校や民間の英会話学校などに技術の蓄積がある。YMCAで3年間、native teachersと team teachingで児童英語のクラスを担当した経験から、YMCAでの実践例を報告する。




「英語教育と学校図書館」
伊庭日出樹(北海道八雲町立八雲中学校)
本学会において2003年、2004年度と「英語教育と学校図書館」に関して発表を行った。今回は過去2回の研究をふまえて、学校図書館担当者となった2004年度に勤務校で実践した英語教育の一例と、学校図書館との関わりを通じて新たに発見した問題点について述べる。学校図書館は英語教育を含む学校の教育活動全体を支えていく校内の施設であるが、設備面と予算の面で二極化が進む傾向にある。その点をふまえて英語教育の活用例から今後の方向性を模索していく。





「The Phonology of English as an International Language」
伊庭 緑(甲南大学)
In this presentation, I would like to examine a new pronunciation syllabus, the Lingua Franca Core (LFC), advocated by Jennifer Jenkins. The LFC is a collection of phonetic features necessary for mutual intelligibility among non-native speakers of English. Jenkins has selected the LFC based of findings from her empirical research. Firstly the main features of LFC are stated, followed by a discussion of some of the innovative points of the LFC and problems inherent in it. Lastly I proposed my ideas regarding pedagogic priorities in English pronunciation teaching.
本発表ではJennifer Jenkinsが提案したLingua Franca Core (LFC)を検討する。LFCとは国際語としての英語の発音を教授する際の音声面のシラバスであるが、まずこの特徴と問題点を挙げた後、著者の意見を述べる。

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